日時:令和6年2月29日(木)13時~16時
会場:山形県工業技術センター講堂
参加:県内企業14名
そんな風に感じられる方も多いのではないでしょうか?
その要因は、次のような事かもしれません。
・デザインなのか、デザイン思考なのか、関係性がよくわからない。
・デザイン思考をやれば何でも上手くいくような誇張PRが胡散臭い。
・セミナーなどで事例を知っても、自分の業務に展開しにくい。
・やってみたけど、案外普通の結果になった。
まずは私達が整理したデザインの全体像について解説しました。これまでの企業支援の経験や、山形県内の企業、行政職、研究職に対して実施したアンケート結果等を踏まえ、どのように伝えればわかりやすいかを検討し反映したものです。
デザイン思考は、新たな価値を創出するために非常に有効な手法ですが、それだけをやってもうまくいかないことが多々あります。通常の手法に比べ、行ったり来たりを繰り返すことが特徴でもあるため、途中で「あれ、これなんのためにやってるんだっけ?」と不安になり開発が止まってしまう、などです。
行ったり来たり(最近はイテレーションと呼ばれている)の中でも、心を折らず進んていくためには、力強い動力(エンジン)が必要です。
そこでヒントとなるのが、自社の社会的存在意義(パーパス)を探究する、ということです。自社の歴史や大切にしている想い、強みや弱みをもう一度振り返り「私達は、なぜ、何のために存在するのか」を言葉としてまとめることが、その先へ進む動力になります。このパーパスを動力とし、デザイン思考で新たな価値の創出を推し進める取り組みを8の字状にグルグルと回し続けることで、社会にも、顧客にも、社員にも共感される経営へと繋がっていきます。この考えは経済産業省が提唱するデザイン経営に合致するものです。
しかし、それでもなかなかうまくいかないことが多々あります。取り組みの要所要所で「視点が変わらない」「想いを言語化できない」「良い案が出ない」等、今までと同じような発想では違いを生み出すことが難しいのです。
それはデザイン的な筋力(パワー)と言い換えることができます。
では、デザイン的な筋力とはどんなものなのでしょう?
私達は山形県にゆかりのある7名のデザイナーにインタビューを行い、そのヒントを探りました。
そこから導き出したのがこの5つのアプローチです。
私達はそれを「デザイン的発想力」と呼ぶことにしました。
「デザイン思考」、「デザイン経営」、「デザイン的発想力」を整理するとこのような位置関係になります。
デザイン経営は主に経営層が主体となり推進しますが、デザイン的発想力は主に現場をエンパワーし、日々の業務をより良くするためにも活用できるものです。広く浸透することで、現場から組織全体を動かす力にもなります。
デザイン的発想力を引き出す5つのワークを実施しました。
デザイン的発想力は、デザイナー等の特別な能力ではなく、多くの人が元々持っている力をデザイン的なアプローチで引き出すことができると考えています。
5つのアプローチを体験することで、日々の仕事の中でも自覚的になってもらうことが狙いです。筋トレをするイメージが近いでしょう。
ワークショップの様子。3人一組で5つのワークを実施しました。
参加者の満足度も高く、大変充実した会となりました。
なんと!参加いただいた方全員に「デザイン的発想力は業務に必要だ」と回答いただきました。
本取組みは、令和5~6年度の研究事業の一環として実施しています。今後さらに内容をブラッシュアップし、令和6年度中にはハンドブック形式にまとめる予定です。
ワークショップはまた実施する予定ですので、引き続きご注目ください!