障がいの有無や国籍、家庭環境の違いに関わらず、すべての子どもたちに開かれた遊びと学びの場。バリアの解消であるスロープが、その機能的役割を越えて子どもたちが走り回れる坂道になるように、一つ一つの要素に複数の意味を重ねてデザインすることで、インクルーシブな場を実現している。
新しい空間を市民と共創して実現した象徴的な施設となった。運営にも考慮がなされており、これからの新しい風景を作っていくプロジェクトとして評価できる。(長谷川)
蓋付き出荷箱として積み重ねも可能なフルーツボックス。従来のように蓋を差し込む必要がなく、宅急便の定型サイズに合わせた設計により、作業効率と配送コストの削減に繋がる。果物を贈る文化をより身近に感じられるようカジュアルなイラスト表現とした。
今までなかった事が不思議に感じる合理的な構造は、まさにエクセレントなデザイン。固有の事情を紐解く丁寧なリサーチの賜物である事も感じられた。(吉泉)
サイズ:W385×D280×H120mm(3kg箱の外寸)
参考価格:185円(3kg箱)
歴史ある旅館のDNAを継承しつつ、宿泊客だけでなく、地域の方々にも開かれた天童荘伝統のうなぎ料理を味わえる専門店。源泉櫓を始めとして、天童温泉組合関係者が地域共通のデザイン要素を共有し、街並みに統一感を持たせることで天童らしい景観を形成している。
一見、店舗デザインの提案であるように思えるが、うなぎ料理専門店を軸に地域の景観とブランディングを当事者たちが作り上げた点を評価した。(酒井)
冬稼働する除雪機保管庫を多様な人材が持つ技術でリノベーションした県内最大規模の室内スケートパーク。地域が抱える働き手不足や過疎化などの課題解決の一助としながら、未来のスケートボーダーを育成し、地域活性のみならずシビックプライドの醸成や関係人口の増加などに貢献。
地域資源の活用のみならず、スポーツ選手のセカンドキャリア、未来の人材育成まで射程に入れた本施設はこれからの社会課題解決のひとつの可能性を示している。(長谷川)
食物繊維が豊富な庄内柿をベースに、有機発芽玄米粉やナッツ、オーツなど植物由来の原材料を組み合わせ、様々な栄養素をバランス良く摂取できるナチュラルエナジーバー。柿の新たな楽しみ方が、食べる人、売る人、作る人を繋ぎ、豊かな循環が生まれている。
味はもちろんのこと、素材や食べるシーンの設定、地元への愛着醸成など、味わい深く「おいしい」プロジェクトに仕上がっている。(原田)
サイズ:W62×D12×H116mm
参考価格:324円
自社で栽培したサツマイモ「シルクスイート」の規格外品を使った”焼き”干し芋。一度、焼き芋に仕上げてから乾燥させることで、より甘く、香ばしい香りを付加することができる。独自の製造工程により、従来の干し芋よりもしっとりとした食感を残したまま保存性を高めた。
ひと目で何かわかる清いグラフィックと作り手の素朴さが伝わる簡易なパッケージデザインによって「あぁこの芋を食べたい」と思わせるものになっている。(原田)
サイズ:W145×D20×H235mm
参考価格:1,200円
やまがたクリエイティブシティセンターQ1と入居する家具メーカーY.D.Kが、それぞれの強みを活かしながら展開する“公共空間発”の家具ブランド。施設自体がリサーチ/テストケースの場であり、ショールームとしての機能も果たしている。
共創プラットフォームを標榜するQ1の理念を体現した家具ブランドという点に評価が集まった。ブランドとしての成長やデザインの深化に期待したい。(吉泉)
サイズ:PUBLIC BENCH W1,500×D400×H436mm、Playful TABLE W800×D800×H700mm
参考価格:PUBLIC BENCH 103,000円~128,300円、Playful TABLE 73,400円
山形県産の有機米・有機野菜・農薬化学肥料不使用野菜を使った、旬の美味しさをつめ込んだ離乳食。添加物・アレルギー特定原材料28品目不使用で、アレルギーのある子供でも安心して食べられる。アレルギーや離乳食づくりに悩むお母さん向けの食育講座も展開。
山形の素材にこだわった定原材料28品目不使用、添加物不使用の安全安心な離乳食。離乳食を通じて地域の子育てを支援している点を評価した。(酒井)
サイズ:W100×D10×H130mm(単品)
参考価格:おやさいのおかゆ・おやさいのすうぷ 各460円、おやさいのとろとろ 420円、ギフトセット 4,630円
江戸時代から受け継がれてきた寒河江市の伝統野菜「子姫芋」の親芋を使ったキムチ。親芋は食感がとても固く、調理に不向きなため、多くが廃棄されている。芋煮以外の新たな食べ方を提案することで、廃棄ロス削減や農家の収入向上、伝統野菜の普及に繋がる。
マイナスの出来事をプラスに変えて、地産地消での問題解決を高く評価したい。審査員の多くが、美味しそうと評判も良かったこともポイントになった。(宇南山)
サイズ:W150×D20×H200mm
参考価格:400円
後継者がいなくなった耕作放棄地を活用して栽培したスイートアーモンドの無添加オイル。保湿に優れ、赤ちゃんから高齢の方まで、からだ全体に使うことができる。収穫後の殻割り作業は地元の障がい者が担い、就労支援にも繋がる。エシカルで持続可能な取組み。
栽培が簡単だと言われているアーモンドに着目し、耕作放棄地で農業を再生するところから製品に仕立てていく循環のデザインに評価が集まった。(原田)
サイズ:W54×D54×H125mm
参考価格:6,000円
国内に豊富にあるスギやヒノキ等の軟質針葉樹の活用を広げるために開発した「Roll Press Wood」技術を使ったテーブル。丸天板でも角天板でも、脚部はコマ入れ成形の同一パーツで構成され、意匠・機能・構造が三位一体のデザインとなっている。
軟質針葉樹活用の新しい可能性を提示しながら、機能と構造をバランスさせた意匠によって、新しい価値をデザインで生みだしている製品といえる。(長谷川)
サイズ:Wφ900×H700mm(F-2738)、W1,500×D850×H700mm(F-2737)、W1,200×D600×H450mm(F-2742)
参考価格:225,000円~255,000円
金属の切削加工を行うヒカルマシナリーが立ち上げた、モノづくりと情報発信をお手伝いするサービス「HIKARUBE」。クリエイターとものづくり企業の架け橋となり、開発から製品化、発信までのプロセスをサポートする。ものづくりの可能性を広げ、町工場のイメージを変える取組み。
閉じがちな事を「開き・つなぐ」ためのデザイン。ものづくりだけに関わらず、さまざまな事例で参考とすべきアプローチだと感じられた。(吉泉)
山形名物玉こんにゃくに独自の加工を施し、クラゲの形に仕立て上げたこんにゃく。元々、クラゲ展示で有名な加茂水族館のリニューアルに合わせて開発した商品を、修学旅行などの中高生がおみやげとして購入しやすい商品にリニューアルした。
修学旅行土産というターゲットを絞ったディレクション力を評価した。面白そうに手に取る様子が想像でき、中高生たちからの拡散が広報につながる。(宇南山)
サイズ:W90×D35×H140mm
参考価格:各500円