やまがたのデザイン

デザイン思考イノベーション創出事業(やまがた&Dプロジェクト2023)

新たな事業展開を考えている県内企業を対象に、自社のパーパス(社会的存在意義)を探究し、デザイン思考を実践しながら、次の一手を考える勉強会です。
また、東北芸術工科大学の学生とも交流し、学びを深めると共に、双方の魅力の共有を図り、県内におけるクリエイティブ人材の育成とデザイン活用の促進を目的としています。
2022年(令和4年度)に引き続き今回で3回目の実施となります。


企業チームには株式会社KESIKI代表取締役の石川俊祐氏を講師に招き、東北芸術工科大学の学生チームの総指揮には学長の中山ダイスケ氏に参画いただきました。
参加企業は7月に行ったセミナー後に応募のあった5社です。
・株式会社栄進鈑金製作所
・今間メリヤス株式会社
・東北パイオニア株式会社
・株式会社ハイテックシステム
・株式会社ベスト


勉強会は大きく2つのステップとなっており、ステップ1では「なぜそれに取り組むのか?」という“パーパスの探究”を行い、その後ステップ2として“解決策の検討”を行いました。
学生チームは、プロダクトデザイン学科、グラフィックデザイン学科、企画構想学科、工芸デザイン学科、文芸学科による混合編成で、令和5年10月に企業との交流会を開催しました。互いチーム毎に企業がステップ1で検討したパーパスや課題を共有して検討をスタートしました。学生チームは企業訪問やヒアリングを実施。その後、中山氏の元、アイデアをブラシュアップしました。

【勉強会(企業)の様子】

 

 

【発表会の様子】
令和6年2月8日に検討結果の発表会を開催しました。
それぞれの視点から新たな気づきにつながるようなものや、コラボすることで新たな展開が予感されるものもありました。
 
 
中山氏からは「企業はデザイン思考をしっかりと実践した正攻法のアプローチ。一方、学生たちは客観性を武器にした独自の視点による自由な発想。それぞれの視点をこういう場で共有できたのがとても良かった。また、学生には県内の企業には、今回の企業の皆さんのような熱い想いをもった方達がいること知り、出会いを大切にしてほしい。」とコメントがありました。
 
石川氏からは「共有して良かったこと、異なっていてよかったこと、両方の面で学びがあった。共有して良かったことは、企業のパーパスを学生と共有したこと。これにより方向性が著しくブレることがなかった。他者が共創するときに大事なことだと改めて感じた。異なっていて良かったことは、企業と学生の情報量が違っていたこと。企業と学生の差から斬新な切り口が見える可能性がある。そこから導かれた違いをどう掛け合わせるのかが今後のヒントになる。」とコメントがありました。
 

【企業の感想】
・この勉強会を通して、社内では出なかったアイディアに辿り着くことができた。
・他社(異業種)の皆さんとの交流、いただいたコメントなども大変有益だった。
・広義のデザインは会社の方針や新規事業を考えるときも非常に役立つ重要な考えであると実感した。

*本事業は経済産業省が提唱する“デザイン経営”の実践につながるものであり、企業の姿勢(インターナルブランディング)と価値創造(イノベーション)2つの輪を8の字状に回していく“最初の一回転”と位置づけています。

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