やまがたのデザイン

山の向こうのデザイン物語〈山形エクセレントデザイン展2022〉


山の向こうのもう一つの日本。
山形には美しい自然と文化が共存し、その歴史と伝統を源流とした優れたものづくりが脈々と息づいています。本展示会では、県内でつくられた優れたデザインを選定・顕彰する「山形エクセレントデザイン」の受賞作品を展示するとともに、トークイベントやものづくりワークショップ等を交えながら、広く県内外の皆様に山形のものづくりやデザインを知っていただくことを目的として開催しました。

会期:2022年9月16日(金)~9月24日(土)  11時~16時 *日・月休館
展示会場:guraラウンジホール(山形市旅篭町2丁目1-41)
主催:山形デザインコンペティション実行委員会(構成:山形県、山形市、山形県商工会連合会、山形県商工会議所連合会、山形県中小企業団体中央会、公益財団法人山形県企業振興公社)
協力:株式会社旅篭町開発、東北芸術工科大学(みちのおくの芸術祭「山形ビエンナーレ2022」)、株式会社Q1

山形エクセレントデザイン2021受賞製品の展示
山形エクセレントデザインは、魅力的で競争力の高い商品づくりとデザインマインドの向上を目指す事業として、県内で企画・開発・生産されている優れたデザインの製品や取組みについて隔年で選定・顕彰を行っています。昨年度選定された16点について、開発の背景やデザインのポイントを分かりやすく解説した冊子と併せてご紹介しました。
受賞企業:株式会社チャンピオン、株式会社エスパック、株式会社後藤精機、株式会社天童木工、株式会社山本製作所、「高畠つや姫」ブランド確立対策協議会、沢原はけごの会、特定非営利活動法人 なでらの森、株式会社AndMERCI、株式会社岡ざき、金山町、株式会社小嶋総本店、株式会社サンカ、株式会社ベルウッドヴィンヤード、米沢絨毯有限会社、米富繊維株式会社

◎事務局による受賞作一挙紹介
9/16(金)16:00~17:00
インスタライブ ID:yamagatanodesign_official
2021の受賞作を事務局がインスタライブで一挙紹介しました。各社を取材した際に耳にしたアレコレも含め、デザインのポイントを分かりやすく解説しました。現在もinstagramの上記IDからご覧いただけます。

開発ストーリーをまとめた冊子の配布
各社(団体)が受賞作に取り組むきっかけや背景、作り手の想いを取材し、開発ストーリーとデザインのポイントをまとめた冊子を制作。来場者に配布しました。

トークイベント(オンライン配信+対面)
審査委員に聞いてみよう!「新たなビジネスを生むデザイン」
日時:9/17(土)18:30~20:00
出演者:長谷川敦士氏(武蔵野美術大学 教授、(株)コンセント 代表)、酒井聡氏(東北芸術工科大学 プロダクトデザイン学科 教授)
進行:月本久美子(山形県工業技術センターデザイン科)
参加費:無料
会場:やまがたクリエイティブシティセンターQ1(山形市本町1-5-19)
デザインを新たなビジネスの創造にどのように活かしていけば良いのか、受賞作をふり返りながらヒントを探っていきました。受賞作から6つほどピックアップして掘り下げていきましたが、何が正解かが分からない中でより良い方法を探していく姿勢や、完璧なものでなくてもまず何か形や行動に移してみることが重要とのことでした。

受賞者×デザイナートーク“根っこの話”
日時:9/20(火)13:30~15:00
出演者:髙橋芳秋氏((株)チャンピオン 代表取締役)、アイハラケンジ氏((株)アイケン 代表取締役)
進行:大場智博(山形県工業技術センターデザイン科)
参加費:無料
会場:やまがたクリエイティブシティセンターQ1(山形市本町1-5-19)
大賞の「買い物支援システムとローカルロジスティクスによる地域活性化のためのデザイン」について、背景や立ち上げまでの経緯、これからの展望などを伺いました。ホームセンターであるチャンピオンが様々な取組みを進めている背景には「地域とともに成長していきたい」という想いがあることや、新事業を「地域としてのDIY」と捉えることによって、地域らしさや地域のQOLを高めることに繋がるとのことでした。

体験・ワークショップ
成形合板でゆらゆら揺れるやじろべえを作ろう
成型合板の椅子に触れながら、その技術や良さを学び、ゆらゆら揺れるやじろべえを作ります。
日時:9/17(土)13:30~15:00
会場:guraラウンジホール
参加費:300円
対象:小学生(低学年は保護者同伴でお願いします)
定員:5組
講師:事務局(山形県工業技術センター)、今田隼人氏((株)天童木工 企画部)

はけごバッグを編んでみよう 
PPバンドを使ったはけごバッグづくりに挑戦します(持ち帰り作業あり)。
日時:9/23(金・祝)11:00~16:00
会場:guraラウンジホール
参加費:3,000円
定員:5名
講師:保科礼子氏(沢原はけごの会)、山崎香菜子氏(赤倉編集室)
PPバンドではけごバッグ作りに挑戦しました。底の部分から編み始め、きっちりと角を立ち上げてから側面を編んでいきます。簡単に見えるようで、結構力の要る作業。時折神の手を借りつつ(保科さんがきちんと編めているかをチェック)、5時間かけてはけごバッグの基本形が完成。模様部分は自宅に持ち帰っての作業となりました。それぞれお気に入りの色で素敵なはけごバッグが完成したことと思います。

山形の花でスワッグ(壁飾り)を作ろう 
日時:9/24(土)10:00~12:00
会場:ドライフラワー専門店sanka(山形市西田3丁目12-2)
参加費:4,400円
定員:6名
講師:後藤貴之氏((株)サンカ 代表取締役)
山形は全国でも有数のバラの産地ですが、他にも様々な植物が栽培されています。今回は、カスミソウ、パンパス、ラグラス、ユーカリ、スターチス、バラなど全て山形県産の植物を使ってスワッグを作りました。サンカの後藤さんからは、生産者の畑を訪問した際のお話や、花も野菜と同じように規格外のものは廃棄されてしまうこと、サンカではそうしたフラワーロスを少しでも減らせるよう、ドライフラワーにして活用方法を探っていることなどのお話がありました。今回使ったバラも規格外のものでしたが、多少茎が曲がっていても、それがかえって自然で力強い印象を受けました。同じ花材でもまとめ方によって雰囲気が変わるスワッグ。参加者それぞれの個性が表れた野趣あふれる秋のスワッグが出来ました。

おいしいエクセレントデザイン(guraレストラン)
期間中、エクセレントデザインを受賞した小嶋総本店の米糀のあまさけがドリンクメニューに加わりました。テイクアウトされるお客様も多くいらっしゃいました。

限定ショップ(guraクラフトストア)
期間中、はけごバッグ、山形山菜さとやまソルト、k-hour project(冊子)をguraクラフトストアで販売しました。

まとめ
前回(2020年)の展示会では、新型コロナウィルスの影響により、来場者への展示品説明やものづくりワークショップは開催することが出来ませんでした。その代わりに、受賞企業に開発ストーリーを取材し、開発の背景や取り組みのポイントを分かりやすく解説した冊子を制作・配布しました。あれから2年が経ち、世間でもウィズコロナの心得が浸透してきた中での今回は、来場者への説明やものづくりワークショップを再開するとともに、冊子の制作・配布も継続して行いました。加えて、展示初日には事務局が全展示品を解説するインスタライブに初挑戦し、遠方で来られない方やこれから来場される方への案内に繋げました。トークイベントについても、前回はオンラインのみでしたが、今回は対面とオンラインを組み合わせたハイブリッド開催とし、リアルで交流する楽しさと、オンラインで好きな時に好きな場所から視聴できる便利さを合わせたものとなりました。会場のguraは、山形エクセレントデザイン2019を受賞した場所でもあり、ラウンジホールの展示だけでなく、レストランとの連携やクラフトストアでの販売を通して、より多くの方に受賞作を知っていただくきっかけになったと思います。また、東北芸術工科大学主催の山形ビエンナーレとの連携は3回目を数え、今回はgura向かいの長門屋が展示会場となっていたこともあり、併せてご来場くださる方が多くいらっしゃいました。最後に、本展示会にご協力くださった皆さま、大変ありがとうございました。これからも山形のものづくり・デザインを盛り上げていけるよう頑張ります。

» リーフレットのダウンロード〔 PDF

協力:みちのおくの芸術祭「山形ビエンナーレ2022」 https://biennale.tuad.ac.jp/

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