やまがたのデザイン

山形エクセレントデザイン展2020開催報告

山の向こうのデザイン物語DM1

山の向こうのもう一つの日本。
山形には美しい自然と文化が共存し、その歴史と伝統を源流とした優れたものづくりが脈々と息づいています。本展示会では、県内でつくられた優れたデザインを選定・顕彰する「山形エクセレントデザイン」の受賞製品を展示するとともに、オンラインでの企画も交えながら、広く県内外の皆様に山形のものづくりやデザインを知っていただくことを目的として開催しました。

会期 : 2020年9月2日(水)から9月29日(火) 9時~20時
会場 : 遊学館(山形市緑町1丁目2-36)
主催 : 山形デザインコンペティション実行委員会(構成:山形県、山形市、山形県商工会連合会、山形県商工会議所連合会、山形県中小企業団体中央会、公益財団法人山形県企業振興公社)
協力 : 東北芸術工科大学(みちのおくの芸術祭「山形ビエンナーレ」)

会場入り口

会場風景

展示パンフレット

●山形エクセレントデザイン2019受賞製品の展示
山形エクセレントデザインは、魅力的で競争力の高い商品づくりとデザインマインドの向上を目指す事業として、県内で企画・開発・生産されている優れたデザインの製品について隔年で選定・顕彰を行っています。昨年度選定された15製品について、デザインのポイントを分かりやすく解説したパネルや冊子と併せてご紹介しました。

受賞企業:株式会社山本製作所、阿部産業株式会社、株式会社旅篭町開発、こめやかた、乃し梅本舗 佐藤屋、中山町×中山町クリエイティ部、株式会社丸定、青文テキスタイル株式会社、株式会社カバンのフジタ、株式会社寒河江商店、佐藤繊維株式会社・株式会社セゾンファクトリー・ぼんち株式会社、楯の川酒造株式会社、有限会社ツルヤ商店、出羽桜酒造株式会社、株式会社ファイン

展示パンフ

●遊学館カフェIL BLUとの連携企画 “おいしいエクセレントデザイン”
山形エクセレントデザイン2019ローカルデザイン賞を受賞した「こめやかたの杵つき餅」を使ったオリジナルスイーツをご提供いただきました。

おいしいエクセレントプレート

●県立図書館との連携企画 “審査委員のおススメ本&関連図書コーナー”
エクセレントデザイン審査委員6名に「いま、ものづくりに携わる山形の人に読んでもらいたい本」を選書いただき、コメントとともに紹介しました。また、遊学館内にある県立図書館の蔵書の中から、山形のデザイン・ものづくりに関連する書籍をピックアップし、紹介しました。

審査委員推薦図書

山形のものづくり関連図書

●ノベルティグッズの配布
ご来場いただいた方に、展示会オリジナルしおりをプレゼントしました。

ノベルティしおり

●山形ビエンナーレと連携したオンライントーク配信
山形ビエンナーレ2020の「まちとひと」プロジェクトと連携し、山形エクセレントデザインの取組みを通して、山形のものづくりやデザインの活動を俯瞰的に捉えるトークイベントを4回行いました。
配信拠点:山形駅前大手門通りすずらん商店街 土井ビル

①〈山の向こうのデザイン物語〉 →配信はこちら
9/11(金)20:00~21:30 再生回数:777回(10/1時点)
選定事業を中心としながら、販路開拓や商品の魅力を高めるスクール、デザイナーとのマッチング等、時代の変化や企業の状況に合わせて仕組みを変えてきた「山形エクセレントデザイン」。山形におけるものづくりの歴史を自作の年表から紐解きながら、審査委員、デザイナー、事務局で「やまがたのデザイン」や「山形らしさ」についてディスカッションしました。
出演者:酒井聡(東北芸術工科大学プロダクトデザイン学科 准教授)、小板橋基希((株)アカオニ アートディレクター)
モデレーター:月本久美子(山形県工業技術センター)、アイハラケンジ(「まちとひと」担当キュレーター)

配信の様子1

配信の様子2

②〈2019受賞製品を一挙紹介!〉 →配信はこちら
9/13(日)20:00~21:30 再生回数:436回(10/1時点)
山形デザインコンペティション実行委員会の事務局が、コロナ禍でなかなか展示会場へお越しいただけない方のために、オンラインで2019受賞製品を一挙紹介しました。受賞製品が評価されたポイントや、つくり手がものづくりに込めた想いや背景、取材時の裏話も含めて解説しました。
月本久美子、大場智博、木川喜裕(山形県工業技術センター)、アイハラケンジ(「まちとひと」担当キュレーター)

配信の様子3

③〈受賞者×デザイナートーク 根っこの話〉 →配信はこちら
9/18(金)20:00~22:00 再生回数:431回(10/1時点)
山本製作所が創立100周年の記念モデルとして取り組んだ「ペレットストーブOU」の開発にまつわるお話と、阿部産業が自社ブランド「ABE HOME SHOES」を立ち上げた経緯やものづくりの姿勢、これからの展望などを伺いました。
出演者:三瓶智昭((株)山本製作所 技術部環境G)、遠藤ゆか(同 営業部バイオマスG)、渡辺吉太(アトリエセツナ 代表取締役)、阿部弘俊(阿部産業(株) 代表取締役)、萩原尚季((株)コロン ディレクター)
モデレーター:大場智博、木川喜裕(山形県工業技術センター)

配信の様子4

配信の様子5

④〈もっともっとエクセレント!〉 →配信はこちら
9/25(金)20:00~21:30 再生回数:275回(10/1時点)
乃し梅本舗佐藤屋の佐藤慎太郎さん、出羽桜酒造(株)の仲野あかりさんにご出演いただき、「佐藤屋の乃し梅のシロップ」、「出羽桜 麹甘酒」を作り手ならではのアレンジでもっと美味しく、楽しくする方法や、和菓子と日本酒のペアリングについてお話を伺いました。
出演者:佐藤慎太郎(乃し梅本舗佐藤屋 代表取締役)、仲野あかり(出羽桜酒造(株) 社長室)
モデレーター:木川喜裕(山形県工業技術センター)

配信の様子6

配信の様子7

●ショップとの連携
期間中、選定品の一部をguraクラフトストア、とんがりビルショップ「この山道を行きし人あり」にて販売しました。

●広報
「山形新聞」、「Nスタやまがた(TUY)」、「県政ラジオ」、「山形県公式Facebook」他、観光情報サイト等で多数紹介されました。

●終わりに
コロナ禍において、どうすれば多くの方に山形のものづくり・デザインを知っていただけるのか、考え続けた展示会でした。これまでは展示会場に事務局が常駐し、来場者へ受賞製品の特長やデザインのポイントを説明してきましたが、今回はそれが叶わなかったため、受賞製品の開発ストーリーを取材し、分かりやすく解説した冊子を制作しました。また、初のオンラインのトークの中でも、エクセレントデザインの紹介だけでなく、山形のものづくりの歴史を紐解いていくところから深掘りしたり、作り手自らが受賞製品を使ったアレンジレシピを紹介する回もあり、遠方にいらっしゃる方を含め、多くの方にご覧いただくことが出来ました。さらに、県立図書館という場所を活かして、審査委員から選書していただいた書籍や県内のものづくり関係の書籍を紹介したり、会場隣のカフェレストランIL BLUでご提供いただいた「こめやかたの杵つき餅」を使ったオリジナルスイーツも大変好評でした。様々な制約がある中でしたが、実展示とオンラインを併用することで、山形のものづくり・デザインをより身近なものとして感じていただけたのではないかと思います。
ご協力くださった皆さま、本当にありがとうございました。さらにパワーアップして山形のデザインを盛り上げて参りますので、引き続きご指導・ご協力をよろしくお願いいたします。

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