やまがたのデザイン

デザイン思考イノベーション創出事業(やまがた&Dプロジェクト2022)

新たな事業展開を考えている県内企業を対象に、自社のパーパス(社会的存在意義)を探究し、デザイン思考を実践しながら、次の一手を考える勉強会です。
また、東北芸術工科大学の学生とも交流し、学びを深めると共に、双方の魅力の共有を図り、県内におけるクリエイティブ人材の育成とデザイン活用の促進を目的としています。
2021年(令和3年度)に引き続き今回で2回目の実施となります。

企業チームには株式会社KESIKIパートナーの石川俊祐氏を講師に招き、東北芸術工科大学の学生チームの総指揮には学長の中山ダイスケ氏に参画いただきました。
参加企業は6月に行ったセミナー後に応募のあった5社です。
・株式会社雅山
・株式会社古窯ホールディングス
・株式会社太陽機械製作所山形工場
・藤庄印刷株式会社
・やまがたNEXTプロジェクト

勉強会は大きく2つのステップとなっており、ステップ1では「なぜそれに取り組むのか?」という“パーパスの探究”を行い、その後ステップ2として“解決策の検討”を行いました。

 

<ステップ1の検討概要>
【企業の感想】
・ワークを機に、社長に聞くまで知らなかったことが多くあった。
・自分達の想いや情熱はどこから生まれてきているのか気づくことができた。
・繰り返し深く掘り下げて考えることで、自分たちが本当にやりたいことに辿り着けた。

<ステップ2の検討概要>
【企業の感想】
・初めて“アイデアの作り方・手法”を学べた。
・実際に手を動かしてみることで、固定観念がなくなり多様なアイデアが生まれた。
・行ったり来たりすることで、新たなアイデアが出てくる過程を経験できた。迷った時、帰るべき場所がわかった。

 

<交流会の様子>
学生チームは、プロダクトデザイン学科、グラフィックデザイン学科、企画構想学科から各1名による混合編成で、令和4年9月に企業との交流会を開催しました。自己紹介と企業概要の共有などを行い、後日チーム毎に企業がステップ1で検討したパーパスや課題を共有して検討をスタートしました。学生チームは企業訪問やヒアリングを実施。その後、中山氏の元、何度もアイデアをブラシュアップしました。

 

<発表会の様子>
令和5年1月17日に検討結果の発表会を開催。各企業のパーパスに沿って生まれたアイデアを企業チームと学生チームが交互に発表しました。それぞれの視点から新たな気づきにつながるような案や、コラボすることで新たな展開が予感されるものもありました。
中山氏からは「企業から、予想していたよりも思い切った面白い提案が出てきて驚いた。学生は、普段接点の無いような企業でも、すごくクリエイティブな可能性があるということを感じられたと思う。」
石川氏からは「学生は課題の捉え方が上手。企業が気づけないようなところをしっかりと設定していた。ストーリー作りも上手だった。企業は、今回の勢いやモチベーションを持ち続けて、社内の文化づくりまで繋げてほしい。」というコメントがありました。
本プロジェクトの目的の一つでもある、“お互いの魅力を共有する”ことが達成できた素晴らしい発表会となりました。
【企業の感想】
・学生チームは、私達と同じものを感じながらも切り口が違っていて新鮮だった。
・社内ではなかなか見えづらい課題を独自に設定してくれた。
【学生の感想】
・山形の面白い企業を知ることができた。
・企業がどんなアイデアで来るか予想していたが、それを全て上回ってきた。

発表会はゴールではなく通過点。参加された企業の皆さんには、社内におけるデザイン活動のエンジンとして、デザインの輪をぐるぐると回し続けていただきたいです!

*本事業は経済産業省が提唱する“デザイン経営”の実践につながるものであり、企業の姿勢(インターナルブランディング)と価値創造(イノベーション)2つの輪を8の字状に回していく“最初の一回転”と位置づけています。

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