デザイン思考イノベーション創出事業(やまがた&Dプロジェクト2021)は、県内企業の経営者、リーダー層が、“デザイン思考でアフターコロナ、次の一手を考える”をテーマに、東北芸術工科大学の学生と交流しながら検討を進めた勉強会です。新しい商品や事業のアイデアを生み出すと共に、企業と学生がお互いに魅力を感じ、県内におけるクリエイティブ人材の育成とデザイン活用の促進を目的としています。
企業チームには株式会社KESIKIの石川俊祐氏を講師に招き、東北芸術工科大学の学生チームの総指揮には学長の中山ダイスケ氏に参画いただきました。
参加企業は7月に行ったセミナー後に応募のあった12社から選出された5社です。
・粟野商事株式会社
・ジャスト株式会社
・株式会社田中商事
・株式会社ヤマコー
・株式会社山本製作所
勉強会は大きく2つのステップとなっており、ステップ1では「なぜそれに取り組むのか?」という“パーパスの探求”を行い、その後ステップ2として“解決策の検討”を行いました。従来の商品開発に関する勉強会等では、ステップ2の内容のみを行うことが多いですが、本事業ではステップ1に約半分のウエイトを置き、じっくりと検討することで、より深いレベルでデザインを活用にすることにチャレンジしました。
参加企業の皆さん。楽しい雰囲気の中、お互いに刺激を受けながら検討を進めました。
<ステップ1の検討概要>
<ステップ2の検討概要>
<ステップ2検討の様子>各社に事務局が伴走しながら、想定ターゲットへのインタビューやインサイト考察、問い立てからのアイデア発想、簡易試作(手で考える)などに取り組みました。
学生チームは、プロダクトデザイン学科、グラフィックデザイン学科、企画構想学科の学生による混合編成でした。
令和3年11月に開催したインプット交流会(オンライン)にて、企業がステップ1で検討したパーパスや課題を共有して検討をスタートしました。各チームが担当する企業に高い関心を持ち、訪問やヒアリングを実施。その後、中山氏の元、何度もアイデアをブラシュアップしてくれました。
<令和3年11月 インプット交流会の様子>
令和4年2月24日、お互いの検討結果を発表し合う会を開催しました。
企業は「なぜそれに取り組むのか?」という“パーパス”を起点とした検討によって、単なる商品アイデアだけではなく、サービスやビジネスモデル、組織・企業の在り方まで踏み込んだ新しい事業案を導くことができました。
学生からは、企業内部では見過ごされてしまうような要素を発見し、価値に変換する提案や、学生のリアルな課題感から発想したワクワクするようなサービスや新しいコミュニケーションの在り方等が提案されました。
“次の一手”としての新たな事業案を生み出すことはもちろん、本事業を通じてお互いの魅力や能力を深く理解することができました。
また、事務局では、本事業の取り組みは経済産業省が提唱する“デザイン経営”の実践につながるものであり、その可能性を十分に感じることができたと考えています。