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在来種の高擶薄荷を未来へつなげたい
山形県天童市高擶地区で明治時代から続く在来種のハッカ「高擶薄荷」の専門店、株式会社gl 高擶薄荷店。受賞した「TAKADAMA HAKKA」は、高擶薄荷を未来へつなぐ取り組みです。薄荷の栽培から県産果実と組み合わせたお菓子の加工・販売、地元の小中高校や大学と連携した探究活動を通じて、その歴史を伝えています。
株式会社gl 高擶薄荷店の樋田幸子さんにお話を伺いました。

受賞作品「TAKADAMA HAKKA」
― 受賞作品を開発したきっかけは?
高擶地区では約10年前から薄荷の普及活動を行っています。その地域の方から「薄荷を広めてほしい」と声をかけられたことが出発点です。高擶のさまざまな知識を得る中で、現在も在来種の薄荷が高擶に根付いていること、高擶が北海道の薄荷のルーツだったことを知り、高擶薄荷に引き込まれていきました。
― 開発にあたり、難しかったことや苦労した点は?
薄荷栽培の先人が他界しており、栽培を安定させるまですべて手探りで歩んだ3年間は、なかなか大変でしたね。ネットで調べたり、山形県の行政機関を訪ねたりしながら記録を重ね、保健所にも確認を取りながら栽培についての知識を集めていきました。「手間をかけなくても育つ」と言われていましたが、現実はそうではなく、収穫時期もその年の気候によって異なることもやってみて初めてわかりました。また、収穫した薄荷をどのようにして広めていくかも、ゼロからのスタートでした。
― それをどのように乗り越えられましたか?
菓子店や飲食店の方に薄荷をミントの代わりに使ってもらい、反応を確認しながら改良を重ねました。イベントで薄荷ブースを出店すると「珍しい」と反応も良く、手応えを感じました。農家の朝市などイベントを通じて生まれた農家さんとの横のつながり、豪雪地帯の最上地区でラズベリー栽培に取り組む「最上ラズベリー」の農家さんとの協力など、少しずつ輪を広げながら県産果実と薄荷を組み合わせた琥珀糖の商品化に漕ぎ着けました。

明治時代から守り継がれてきた在来種「高擶薄荷」。お茶や琥珀糖など、日々の暮らしの中で気軽に楽しめる商品を展開している。
― 受賞作品を通じて、購入者・利用者・生活者に何を伝えたいですか?
明治時代に一世を風靡し、生産量全国一位を誇った山形県の薄荷産業。その在来種が今も高擶に根付いていることは、とても貴重なことです。この商品を通じて、薄荷の歴史や活用法を知っていただけたら嬉しいです。小学生の総合学習や中学生の職場体験、高校生との薄荷飴の共同開発など、地域の子どもたちとの取り組みも大切にしています。
― これからの展望は?
高擶地区は昔ながらの良さが残る、地域活動の盛んな珍しい地域です。在来種の薄荷と、山形県の薄荷産業の歴史や地域の魅力を、この高擶から全国へ伝え続けることを大切にしていきたいと思っています。

薄荷と組み合わせるのは、朝市などへの出店を通じて出会った県内農家自慢の食材。ラズベリーやゆず、すだち、スイカなど、山形の恵みを大切に使用している。


