たくさんの人が行き交い、駒を多様に楽しむ場所に

良いデザインを知る

たくさんの人が行き交い、駒を多様に楽しむ場所に

2026.08.21

山形エクセレントデザイン2025 入賞

宗教法人妙法寺

幕末に将棋駒づくりの礎を築いた吉田大八ゆかりの天童市の寺院、宗教法人妙法寺。受賞した「お寺のブランディングデザイン 妙法寺のロゴ・駒御守・駒絵馬・駒参道」は、妙法寺が「駒寺」として檀家以外の人にも広く開かれた寺院になるためのブランディングデザインです。将棋の駒型にこだわったお土産品や参道の整備を通じて、にぎわい創出と寺院の発展につなげています。
妙法寺の矢吹栄修さんにお話を伺いました。

お寺のブランディングデザイン 妙法寺のロゴ・駒御守・駒絵馬・駒参道

お寺のブランディングデザイン 妙法寺のロゴ・駒御守・駒絵馬・駒参道

― 受賞作品を開発したきっかけは?

住職交代のタイミングでロゴマークをつくりたいと考え、同じ天童市を拠点とするデザイナーのコロンさんに相談しました。その時、コロンさんからの「今後、寺院をどうしたいですか?」という問いが、すべての出発点となりました。これまでの寺院らしくない、堅苦しくない、誰にでも開かれた「駒寺」を目指す方針を固め、ロゴをはじめ御守や絵馬の開発へと踏み出しました。

― 開発にあたり、難しかったことや苦労した点は?

将棋駒の形はたくさん集合するほど映えるため、御札を買った方が大黒天の前に駒を並べられるような仕掛けを考えていましたが、その手法がなかなか見えてきませんでした。また、駒参道の整備などソフトとハードの両面に取り組んだことでコストもかかり、着手から完成まで約2年を要しました。

― それをどのように乗り越えられましたか?

御札とは切り離して絵馬をつくることで突破口を開き、駒参道のアイデアへとつなげていきました。デザイナーのコロンさんとはざっくばらんに楽しく話しながら進め、デザインとは見た目だけでなく出口まで見越した総合プロデュースだと実感しながら、2年間丁寧に取り組みました。

駒絵馬用の桐材や駒御守用の革材は、いずれも県内で発生する端材を活用している。

駒絵馬用の桐材や駒御守用の革材は、いずれも県内で発生する端材を活用している。

― 受賞作品を通じて、購入者・利用者・生活者に何を伝えたいですか?

天童の象徴である将棋駒をまちづくりに活かしたいという思いから生まれた企画です。複数の駒型御守を組み合わせて自分だけのオリジナルをつくれる体験や、駒参道での写真撮影を通じて天童の魅力を発信するスポットになればと思っています。また、絵馬の材料である桐材や御守の材料となる皮革材に端材を活用した、エコな取り組みでもあります。

― これからの展望は?

現在は駒型のおみくじを開発中で、駒参道に結んでいってもらうことで「駒寺」の世界観をさらに広げていきます。また、駒型をふんだんにあしらった一棟貸しの宿泊施設も開業予定で、そのロゴも今回の寺のロゴと関連付けていきます。訪れるたびに新しい発見がある、天童の観光スポットを目指しています。

駒参道には、数々の駒絵馬が結ばれている。駒型のおみくじを結んでもらうことで、さらに写真映えするスポットにしていくことも検討している。

駒参道には、数々の駒絵馬が結ばれている。駒型のおみくじを結んでもらうことで、さらに写真映えするスポットにしていくことも検討している。