
良いデザインを知る
地域のストーリーと自然を生かした結婚式で、山形の魅力を未来へつなぐ
山形市を拠点に活動する合同会社lururuとArtBalloonが、それぞれの強みを持ち寄って立ち上げた「Local wedding」は、「地域のストーリーと自然を生かす」をテーマにオーダーメイドの結婚式サービスです。文化財施設や果樹園、思い出の場所などを舞台に、山形の風土や文化、つくり手の技術を未来へ継ぐ新しい結婚式を形にしています。
合同会社lururuの和田有紗さん、黒川遥香さん、ArtBalloonの伊渕南々絵さんにお話を伺いました。

受賞作品「Local wedding」
― 受賞作品を開発したきっかけは?
きっかけになったのは、7年前の和田の結婚式です。式の企画段階で、信頼できるクリエイターと一緒に、自分たちの好きな場所で自分たちらしい時間をつくりたいと思ったものの、当時の山形にはそのような相談ができる場所や選択肢がほとんどなく、結果として県外で結婚式を挙げることになったんです。以来、「山形の素晴らしい自然や文化、人を活かした結婚式を形にできないか」と考えるようになりました。山形のウエディング業界で装飾プランナーとして活躍していた伊渕も、これからの時代やニーズに合った新しい結婚式の形を模索していました。そうした中で和田と出会い、人生の節目である結婚式を通して地域の魅力やストーリーに光を当て、人と地域をつなぐ新しい形をつくりたいと思い、Local weddingを立ち上げました。
― 開発にあたり、難しかったことや苦労した点は?
会場やプランがあらかじめ用意されている一般的な結婚式と違い、Local weddingはお客様の結婚式のイメージをヒアリングし、それに合わせて会場の選定含めゼロからつくるため、サービスの価値や魅力を伝えることが簡単ではありませんでした。また、文化財や果樹園など、これまで結婚式の会場として使われてこなかった場所を活用するため、多くの方々とやり取りをしながら関係性を構築し、新しい運営の仕組みをつくり上げる必要がありました。前例がないからこその大変さは、いろいろとありましたね。
― それをどのように乗り越えられましたか?
用意されたプランがないからこその「自由度」を最大限に活かし、新郎新婦の想いを徹底的に聴き、「どんな人生を歩んできたのか」「誰に感謝を伝えたいのか」「どんな景色を残したいのか」と対話を重ね、その方々らしい物語を見つけ出し、地域の自然や文化、人とのつながりを掛け合わせて一つの結婚式として形にしていきました。また、地域の事業者やクリエイターの皆さんとも対話を重ね、「結婚式をつくる仲間」として協力いただくことで、一つひとつ実績を積み重ねてきました。

地域とともにつくるウェディング。花嫁行列や長持唄など地域の伝統が息づく儀式を再構築し、地域の歴史や文化を今に生かす試みを形にした。(企業提供)
― 受賞作品を通じて、購入者・利用者・生活者に何を伝えたいですか?
私たちが伝えたいのは、「身近な地域にも、人生を彩る価値がある」ということです。普段見慣れている風景や文化、地域の人々の営みも、視点を変えることでかけがえのない舞台になります。Local weddingは単に結婚式をつくることではなく、その土地の魅力や人とのつながりを再発見し、未来へ受け継ぐきっかけをつくることを目指しています。人生の節目を通して、自分のルーツや地域への愛着を感じてもらえたら嬉しいです。
― これからの展望は?
Local weddingは結婚式の事業であると同時に、地域の魅力を再発見し、未来へ継承していくためのプロジェクトでもあります。新郎新婦の想いに寄り添いながら、「山形にこんな素敵な場所があったんだ」と感じてもらえるような、山形ならではの結婚式をさらに充実させていきたいと考えています。人と地域をつなぐ体験を生み出しながら、山形という土地の価値を耕し続けていきたいと思います。

結婚式を通じて、身近な地域に価値を見出し、関わる人たちと地域を結ぶ。(企業提供)


